【レビュー】イヒ・リーベディヒ ~世界を滅ぼした魔王の恋~
異世界もの、というとあなたは一体、どのようなイメージがあるでしょうか?
今の世界とは全く違う環境で、チートやハーレムを満喫する状況でしょうか?それとも最弱キャラに転生し、苦労を強いられる。あるいはチートなしで地道に自分のレベルを上げていく状況でしょうか……
おそらく多くの作品は「楽しさ」「痛快さ」を求めているのであり、今回のような「悲しさ」というのを求めているのは(一部のダークファンタジー等は除いて)それほど多くないかと思われます。
ちなみに、本作は短編です。1話完結で、全体が10,000字にも満たない作品。
物語はいきなりクライマックスで始まる展開。そして間もなく明らかにされる勇者と魔王の存在。結末はたぶん……と思ったら、
見事に裏切られました。
もちろん、いい意味で。
これは果たしてハッピーエンドなのか?それともバッドエンドなのか。個人的にはハッピーエンドだと思いたいですね。しかしそれは読者の方にお任せするということで。
そして最後に登場するタイトルの意味。伏線の回収もまた、見事です。世界を滅ぼす、というと暗いイメージがありますが、そんな「常識」が一瞬でひっくり返ってしまう……
あまりネタバレになってしまうので、詳細は内容は避けますが、一言でいってしまいますと、
美しい
「短編ファンタジー」という、一つのテーマでまた別の作品をぜひ書いてもらいたい。この作品は初めてファンタジーものや異世界ものを読む人達はもちろんのこと、
「まずは作品を一つ仕上げたい」
そんな作家さんたちもぜひ読んでもらいたい作品です。
作品名
イヒ・リーベディヒ ~世界を滅ぼした魔王の恋~
著者
あさぎ かな
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